ドクター

症状によって違う治療法

看護師

病気の種類を見極めてから診療科を選択

うつ病と自律神経失調症は心身に出て来る症状の種類がかなり似ているため、自分がどちらの病気に罹ってしまったのか判断がつきかねるケースがほとんどと言えます。実際、うつ病だと思い込んで精神科や心療内科を受診したところ自律神経失調症と判明したり、主に身体的症状のほうに気を取られ自律神経失調症と考えていたらうつだったということもあります。どちらにも共通するのが精神的な不調だけでなく身体的にも数多くのトラブルが出て来る点で、自律神経失調症のほうは動悸や息切れがひどいので心臓疾患を疑い検査をしても心臓や血管そのものには異常が見つからず、後になってから自律神経失調症と判明するなど、身体に出る顕著な症状のほうに気を取られることが少なくありません。うつの場合も仮面うつ病という種類では、精神面ではなく身体的な症状という仮面に気を取られてしまい肝心のうつ病治療開始が遅れるといった側面があり、その点も自律神経失調症の症状の出方と似ている面があります。仮面うつ病の場合も動悸息切れや胃腸の不調、倦怠感といった症状が出やすいため、内臓疾患を疑って検査したり対症療法を行ったりしているうちにすべての原因であるうつ病が悪化してしまうケースもあり、身体的症状の種類から元凶となっている病気の正体を見極めることは非常に難しいものがあります。さらに、元々くよくよしがちで気分が落ち込みやすい人は自分の精神状態に敏感になっているため身体的不調をうつ病や自律神経失調症と疑うことができますが、仮面うつ病に罹りやすい人は自分自身は精神疾患とは無縁と考えているケースが多いとされ、余計に身体的症状にしか意識が向かないことになります。仮面として出て来る症状の種類が、精神的症状のほうが重い一般的なうつよりも自律神経失調症とよく似ていることも、仮面うつ病という正体をわかりにくくしています。症状が非常によく似ているということは、似た治療でも良さそうなイメージがありますが、発症する根本原因が違うためやはり本来のうつ病として精神科や心療内科で診察を受けて最適な治療を受ける必要があります。うつも自律神経失調症も発症の引き金になりやすいのは過度のストレスですが、うつの場合はストレスが原因で脳内の神経伝達物質の分泌に異常が起こることで発症し、自律神経失調症のほうは交感神経と副交感神経がバランスよく働くはずの自律神経そのものがストレスの影響で乱れることから症状があらわれます。全身の内臓や血管などの働きを司る自律神経はホルモンや神経物質の分泌や作用も担っているため、自律神経失調症が原因で脳内神経伝達物質にも乱調が生じ、うつを誘発することも考えられます。更年期に差し掛かった女性の場合、ホルモンバランスの乱れから自律神経失調症にもなりやすいため、時期的に重なりやすい介護負担などの外的要因と共に精神的トラブルに見舞われるリスクが特に高まると考えられます。うつと自律神経失調症だけでも症状の種類が見定め難いところに更年期障害まで加わると、精神的な症状について相談したい場合も、最初に受診すべき診療科を見定める段階から困惑してしまいます。可能であれば精神科や心療内科と共に婦人科や神経内科がある総合病院を受診し、女性の場合は血液検査でホルモンの数値を診てもらうことも必要です。